アディーレ法律事務所は社会貢献活動の一環として、高校生を対象としたスマホ・SNSによるトラブル防止についての講演を奈良県立王寺工業高等学校にて実施いたしました。

【開催概要】
「スマホ・SNSによるトラブル防止についての講演」
日程:2025年5月7日(水)
開催場所:奈良県立王寺工業高等学校(奈良県北葛城郡王寺町)
講師:長井健一弁護士(大阪弁護士会所属)
参加者:全校生徒
講演開催の背景
SNSなどを使用したいじめや誹謗中傷の投稿など、子どもにとってもスマホに起因するトラブルは身近なものになってきています。今回は奈良県立王寺工業高等学校より講演会の依頼を受け、全学年の生徒を対象に実施しました。アディーレの長井健一弁護士がスマホやインターネットを正しく、安全に使うために気をつけるべきことの解説や、実際にあったトラブル事例などを法的な視点を交えて話しました。
匿名でも、特定はできる。本当に投稿していい内容か考えよう
当日の講演は、学校の先生による「“自分には関係ない”という気持ちを持たず、全員が自分自身のこととして聞くようにしてください」という言葉の後、生徒の皆さんから「よろしくお願いします!」と元気な挨拶で始まりました。
講演の中で長井弁護士は、インターネットの匿名性や、拡散すると削除ができなくなる「デジタルタトゥー」など、インターネットの基礎的な注意点について話しました。生徒たちにとっては身近なSNSの投稿でも、思わぬ形で個人が特定されてしまったり、犯罪行為などはスマホやアプリの解析で内容が判明するので、「削除すれば大丈夫」ではないという点を強調しました。

被害者にも、加害者にもならないために
ネット上では、SNSで知り合った人に会いに行って犯罪に巻き込まれたり、下着姿や裸の写真を送るよう脅されるなど、学生が被害に遭う事件も増えている一方、不適切な動画投稿や、SNS上での誹謗中傷によって加害者になってしまうケースも多くあります。長井弁護士は「こうしたトラブルを防ぐためには、ネットで知り合った人に簡単に会いに行かないことや、個人情報を送信しないことが大前提です。さらに、たとえ高校生であっても、犯罪行為には損害賠償請求のリスクがあることや、SNS利用時には他人を傷つけないこと、情報の真偽を確認することも大切であると覚えておいてください」と、トラブルの被害者にも加害者にもならないためのアドバイスを行いました。
講演を終えて
講演を終え、参加した生徒さんからは「他人のアップした情報を鵜呑みにせず、自分で調べて確認するというお話が参考になりました」、学校の先生からは「弁護士という立場から前例などを話していただいて、私たち教員が話すよりも重みがあったと思います。誰かを傷つけるような内容に「いいね」をすると賠償責任になる可能性があるとは、生徒も思ってもみなかっただろうし、私たちも知らなかったので、本当にありがたい講演でした」と感想をいただきました。
今後もアディーレでは、法的知識の啓蒙を目的としたセミナーの開催や、学生の職場体験受入れ、出張授業による法教育活動を通して、よりよい社会づくりに貢献してまいります。